2010年12月14日

アウトプットの練習も大切

「記憶術を身につけたい」という人には、何かを大量に記憶しなければならない理由があるのでしょう。
記憶したものを、きちんとアウトプットする練習も、必要です。
たとえば「資格試験を受けたい」という人と、「結婚式のスピーチ内容を憶えたい」という人では、アウトプットの方法が異なり、それぞれに適した練習が必要です。
また、資格試験には、マークシート方式で解答するもの、記述式、論述式、コンピュータに向かって解答する方法など、様々なものがあります。
これらに対する、「慣れ」も必要です。

多くの場合、「憶えてきた知識・情報を披露する場」には、緊張を伴います。
緊張すると「頭が真っ白になる」と表現する人もいるように、「何を、どう表現すればいいのか、わからなくなる」という人がいます。
ただこのとき、「頭の中にあるはずの記憶が、消滅した」というわけではなく、「記憶へのアクセスができなくなった」だけですので、まず落ち着くことが大事です。

事前に練習を重ねておくと、たとえば「人前で歌を歌うことになり、本番前に歌い出しの歌詞が思い出せなくなった。でも、曲がかかると自然に、歌詞が口をついて出た」ということも、起こりえます。
ですので、事前に「アウトプット法」についての練習を繰り返しておきましょう。

「普段の練習問題はよく解けるのに、試験本番で実力を発揮できない」という受験生の方もいます。
これは、「試験後のこと(落ちたらどうしよう、など)を考えすぎて、緊張しすぎている」ということも考えられます。
まずは、「今することは、試験に解答すること」という意識に変えることができれば、頭がすっきりします。

不安や焦りは記憶術の大敵

記憶を妨げるものとして、「不安や焦り」があります。
人間は「自分にもできる」「挑戦したい!!」と前向きになっているときには、能力を発揮しやすいことが多く、「私はダメな人間だ・・・」と思っているときほど、能力が発揮しづらくなるといわれています。
せっかく身につけた記憶術を活かしていくには、「リラックスした状態で」「自分にはできると思うこと」が大切です。

「記憶術を身につけたい」と考える人は、向上心が強くて、真面目で勤勉な方が多いのです。
それらは、社会で活躍していく上で、すばらしい特質なのですが、一歩間違えると「失敗や恥をかくことを恐れる」「一つでも躓くと、全てが嫌になる」という極端な考えに、陥ってしまうこともあります。
それでは、記憶術を身につけても、それが充分役立つとは、いえなくなってしまいます。

また「不安や焦りが強いから、記憶術を学んで安心したい」という場合も、要注意です。
試験の直前や、スピーチ・演説の直前になってから、記憶術を身につけようとしても、残念ながら間に合わず、却って混乱を招く場合があります。
そのような焦り・不安を持たなくても良いような、時間に余裕があるときに、記憶術を学んでおくのが良いでしょう。

不安や焦りというのは、ゼロにすることはできません。
不安や焦りがあるから、人間は向上心を持って頑張れる、という面がありますので、これらの感情は「忌み嫌う」のではなく、うまく付き合っていくことが必要ですね。

ラインマーカーの使い方

記憶術は、「効率よく憶える」方法でもあります。
たとえば、100枚分の紙に書かれた内容を、何とかして紙10枚分に要約して憶えれば、効率よく記憶ができることになります。

資格試験の勉強をしている人は、ラインマーカーを使って、大事な部分を目立たせるように、工夫を凝らしていることでしょう。
ラインマーカーを使った記憶術のポイントとして、「長い文章をマークしすぎない」「多くの色を使いすぎない」の2つが挙げられます。

多くの人が、「ラインマーカーの使いすぎ」に陥っています。
たとえば、5行の文章のうち、3行ほどもラインマーカーを引き続けるのは、単に参考書を派手に塗り替えているだけで、どの部分が大事かというのが、よくわかりません。
ラインマーカーは、単語に少しだけ色をつける、という感覚でも充分です。
また、日本語の特性上、語尾がとても大事で、「あります・ありません」では意味が違ってしまいますので、語尾にもラインマーカーを活かすと良いでしょう。

また、ラインマーカーの種類は、できれば2色程度に抑えるほうが良いでしょう。
最近の参考書・問題集などは、もともと派手に、イラストなども使って楽しく描かれていることが、多いものです。
その上に、4色も5色もの色分けをしてしまうと「何が大事なのか?」「この色が表す意味は何なのか?」がわからなくなってしまいます。

以上のポイントに注意すれば、ラインマーカーを使用して試験勉強を進めることは、とても効率が良い方法といえるでしょう。

脳内心理記憶術

脳内心理記憶術は、心理学者の内藤誼人氏が考案した記憶術です。
内藤誼人氏は、「心理戦で絶対に負けない本」「人の心は9割読める」など、200冊以上の著書があり、実践力のあるアドバイスで人気を得ている心理学者です。

内藤氏の脳内心理記憶術は、「心理をどのように誘導するか」が、記憶力を高めるために、最も大切なことと考えます。
「なかなか物事を憶えられない」と悩んでいる人の多くは、心理状態を「憶えるための状態」に切り替えることができないために、いつまでたっても記憶力が上がらないのだそうです。
また「勉強する」という場面では、勉強の効率を上げるために「勉強するための心理状態」にもっていくことも、大切なのだそうです。

たとえば、嫌なことがあって怒っているとき、悲しいことがあって沈み込んでいるとき、勉強ははかどらないし、物事を憶えることができません。
逆に、良いことがあって気分が良いときは、集中力も高まり、いつもにも増して記憶力や勉強の効率が上がるものです。
「勉強を始めるときに、その心理をどのような状態へ誘導するのか」を、脳内心理記憶術は重要視するのです。

今までに「成績のいい人、学歴の高い人に聞いた記憶術、勉強法などを、その場では感動しながら聞いていたのに、家に帰って実践しようとすると、同じようにできない」という経験がある人も多いでしょう。
このとき「方法だけ」を真似ても、記憶力や勉強の効率は向上しません。
勉強し、記憶するための「最適な心理状態」に、自身の心理を誘導しなければならないのです。
自分自身の心理を、まずは理解することから始めましょう。

ユダヤ式記憶術

ユダヤ式記憶術は、松平勝男氏が考案した方法です。
松平勝男氏は、東京大学の大学院生として研究に励みながら、予備校講師を勤めていた時代に「予備校の生徒が、知っているはずの知識を、思い出せない・思い出そうとしない」という傾向があることに、気がついたのだそうです。

また松平氏は、「知識の間の関連性について、理解ができていない受験生が多い」ということにも、気づいたのだそうです。
異なる知識が「まったく別のもの」として記憶されているために、うまくアウトプットすることができないで、右往左往する受験生をたくさん見てきた松平氏は、ご自身が中学生のときに「暗記できない項目があった」ことに思いをはせました。
そして、ユダヤ教のベースとなる「カバラ思想」や「ヘルメス学」の影響を受けた記憶術を、「ユダヤ式記憶術」として、練り上げていったのだそうです。

従来の記憶術には、「憶えても長期記憶として残らない」「思い出すことができない」「トレーニングが複雑すぎて、挫折してしまう」などのデメリットがありました。
このために、日本で「記憶術」という言葉を聞くと「・・・なんか怪しい?」というイメージを持たれる現状が、生まれてしまいました。
松平勝男氏のユダヤ式記憶術には、そういったデメリットがありません。
また「もともとの、記憶力、勉強の要領が良い人だけが、成功できる」という方法でもなく、誰でも成功できる方法です。

一度身につければ、大学受験、資格試験への挑戦、その他様々な場面で活用していける方法でもあり、従来の記憶術のトレーニングに挫折した人も、挑戦する価値はあります。

ジニアス記憶術

ジニアス記憶術は、川村明宏博士が提唱するメソッドで、「多くの知識を、スピーディに効率よく身につける」ための方法です。
ジニアス記憶術を活用して、高校・大学受験、定期テスト、就職試験、昇進昇格試験などを乗り切るという人が多いようです。
また、この方法は「テクニック・技術」ですので、一度身につければ、後の人生で長く役立てていくことができます。

学生時代の試験勉強で必要な知識は、「憶えたい!!」という気持ちが、なかなかもてません。
その一つの理由は、「記憶する方法がわからないから」ということも、理由の一つです。
記憶する方法がわからないから、勉強したくない。
その結果、成績が下がってしまい、親や先生から叱られながら勉強するから、ますます効率が上がらず、憶えることが嫌になる。
このような悪循環に陥っている人も、多いです。
悪循環を断ち切るための方法として、「何でもすいすい記憶できる方法を身につける」「記憶が楽しくなる」ということがあれば、事態は変わってきます。

また、多くの記憶術で「一度憶えたことは、忘れにくくなる」という効果があり、ジニアス記憶術も例外ではありません。
学生時代の試験と違い、入社試験、資格試験、昇進試験などで必要な知識は「試験が終わったら、忘れても良い」という種類のものではなく、試験後も業務に活かす必要があります。
そのため、「長く憶えていられる」ということが大切になり、ジニアス記憶術はその手段として、とても有効です。

宮口式記憶術

宮口式記憶術とは、宮口公寿氏が開発した記憶術です。
書籍なども販売されていますし、情報商材もあります。
宮口公寿氏が、高校時代には偏差値41だったそうですが、この記憶術の活用によって、東京大学(薬学部)に合格したのだそうです。

宮口式記憶術の特徴は、「6つのトレーニングを繰り返すだけで、記憶力を高めることができる」というシンプルさです。
所要時間は「1日5分」ですが、毎日繰り返してく必要があります。
とはいっても、他の記憶術よりシンプルなステップを、ただ繰り返すだけで、個人の才能、もともとの記憶力とはあまり関係がなく、膨大な知識をインプットできるようになる、という特徴があります。
また、メンタル面の影響も無視できませんので、宮口式記憶術ではメンタル面の改善も行います。

人間の脳は、「パターン認識能力」に非常に長けています。
たとえば、何かの問題ごとに「パターンを決めて解いていく」こと、「パターンに沿った行動をする」ことは、コンピュータなどにはない能力です。
「パターン認識能力」を今より活用することができれば、記憶力が7倍も向上すると、宮口式記憶術では考えられています。
この能力を活用するために、「イメージ化のトレーニング」と「バックボーンの収集」についてのトレーニングを重ねることになります。

ただ、記憶術には「合う・合わない」の個人差がありますので、宮口式記憶術が「合わない」という人も残念ながら、います。
ご自身で、この方法を試してみて「合わない」と感じたら、他の方法に挑戦してみましょう。

藤本憲幸氏の記憶術

藤本憲幸(ふじもとけんこう)氏の記憶術は、「多くの情報を、脳にとどめる」という考えに基づいて開発されたものです。
藤本氏は「ワールド・メモリー・コンテスト」という記憶を競う大会で優勝した、という実績があることで知られています。
「上位成績をおさめるためには、何が必要だったのか?」を記憶術としてまとめ、多くの方に伝え続けているのです。

個人の能力には差があり、記憶力も例外ではありません。
生まれもった能力にはどうしても、個人差があるのです。
ただ、藤本憲幸氏の記憶術は、脳の記憶に変化をもたらす、という考えに基づいて構築されたものですので、もとは「記憶することが苦手だった」という方にも、記憶術の活用により、記憶できる情報量が飛躍的に伸びるとされています。

藤本憲幸氏の記憶術は、具体的にどのような効果があるのでしょうか?
一つは、「通常の3分の1の時間で、記憶することができるようになる」ということです。
このことで、憶えるための時間が非常に短縮できます。
もう一つ「長期間忘れない」ということも、あります。
前述のことと重なりますが「短時間で記憶でき、忘れにくくなる」ために、何度も復習する必要がなくなり、勉強の効率が、非常によくなります。

また、「記憶することが楽しくなる」とも言われています。
「もっともっとたくさんのことを、憶えたい」という気持ちは、記憶力を伸ばしてくれるものです。
さらに「発想が自由になっていく」ために、憶えた知識を様々な面で活用していくことができるようになるのが、藤本憲幸氏の記憶術なのです。

マインドマップと記憶術

マインドマップを使った記憶術が、提唱されています。
そもそもマインドマップとは、トニー・ブザン氏が提唱したもので「中心となるキーワード、イメージ」を図の中央に置き、放射状に関連するキーワードやイメージを繋げていくという図解表現方法です。
マインドマップのメリットは、複雑な概念も効率よくコンパクトに表現でき、理解も深まりやすいことです。
また、人間の脳内の「意味記憶」の構造である「意味ネットワーク」によく適合する表現方法であるため、理解や記憶が深まりやすいといわれています。

マインドマップを使った記憶術は、上記のような理由で「理解して記憶する」ということが、容易になるといわれています。
物事をばらばらに憶えるのではなく、全体を一つの絵とし、物事の関連性を一続きのものとして記憶できるために、記憶するのにかかる時間を短縮することができます。
文章をそのまま憶えようとしたり、箇条書きなどの工夫をしたりした場合でも、マインドマップの効率のよさには、かなわないでしょう。

また「楽しみながら」記憶ができることも、マインドマップを使った記憶術の特徴です。
記憶術は、「苦痛だ、嫌だ」と思うものよりも「楽しい、嬉しい」と思いながら、記憶を進めることができるもののほうが、今後も長く活用していくことができるでしょう。

紙さえあれば、手書きでマインドマップを作成することもできますが、最近はマインドマップ作成のためのフリーソフトウェアもありますので、活用するといいですね。

失敗することを活かす方法

人間は、「失敗したことは、長く憶えている」「嫌でも思い出してしまう」という傾向があります。
このことを活かした記憶術として、「あえて失敗をする」という方法があります。

たとえば、「まだ何の知識もないときに、いきなり試験問題を解いてみる」というのも、一つの方法です。
まぐれ当たりもあるかもしれませんが、この時点では間違える問題のほうが多いでしょう。
すぐに答え合わせをし、解説を読んで「何を間違えたのか?」をチェックすることで「へぇ、なるほど、こうすれば正解が出せるのか!!」とわかります。
この記憶は、長く残る傾向があるのです。

この方法は、「ある程度、知識のある分野の試験を受けたい」という場合に有効でしょう。
知識のある人は、テキストを頭から順番に読んでいくと、だらけますので、問題集をいきなり解いてみて、間違えた部分を解説や、テキストを利用して確認する、という方法を行うとよいですね。
試験に出やすい分野を、効率よく学習することもできます。

ただ、「単語の意味がわからず、何を問われている問題なのか理解できない」というレベルの知識しかないときに、この方法を行うのは、リスクが高いでしょう。
「間違えるのが当たり前」という、一種の負けグセがついてしまい、自分に自信が持てないまま試験に臨むのは、決していいことではありません。
テキストを一読して「完璧ではないが、なんとなく知識がついてきた」というころに、この方法を試してみると良いでしょう。